ハゲタカ。
一連の池井戸潤さんの小説を思わせる。
昨今でも池井戸さんの小説は半沢直樹、ルーズベルトゲーム、空飛ぶタイヤなど様々なものがドラマ化、映画化されていたが、このハゲタカも作者は違えどドラマ化されている。
それだけ今の日本では逆転劇のようなものの需要があるということなのだろう。
しかし、この本の本質はそういった爽快さだけでなく、読後に思わされることは多岐に渡る。
ハゲタカとバンカー
まず日本のバブルの崩壊後の雰囲気と当時の企業や銀行の杜撰さを感じずにはいられないということである。
私はバブル崩壊後の世代で、失われたままの30年しか知らない。そのため下向きの経済が当たり前、人口減と経済縮小はもはや既定路線としか言えない状況にまで八方塞がりになっていると感じている。
しかし、この本にあるような放漫経営の企業、公私混同した企業が数多く存在するのであればそれも致し方ないことである。
もちろんそれらの企業がこの30年を生き延びれたとは思えないが、少なからず大企業は、それらの損失を下を切ることによって掻い潜り、その時代の幻想から覚めていないところもあろうかと思う。
その最たる例が日本の銀行である。
私は日本の銀行だけでなくフランスの銀行の怠慢業務にも手を焼かされたことがある。