月別: 2020年1月

書評『小さな会社の総務・経理の仕事がわかる本』

本とカフェ

長かった。この本はほんとに読むに読めず遅々として進まなかった。

実は今まで書評として残してきた本の一部は、私が来年度から属することになるとある会社の課題図書であり、その多くは実際にその会社の側面を反映したチョイスであると常々感じていた。

それらの本とは打って変わって、一般論と社会の仕組みについてのエッセンスが詰め込まれた本書は、私が個人的に読む本のタイプからもかけ離れており、知らないこと、わからないこと、読んでなお理解できないことのオンパレードであった。

とはいえ、この本は辞書的に用いられることも想定しているような索引もついているので現場に出てからも役に立つことだろうと思う。

総務とは?

この本のメインは総務と経理。

そのうち総務の仕事はいわゆるバックヤード、バックオフィス的な業務を中心としているところらしい。

顧客リストや消耗品の管理、文書の保存や冠婚葬祭での対応など仕事は多岐にわたる。

人事も総務の仕事の一部とされるらしい。

人事に関しては、人事や採用に関する本を読んだこともあったが、それらのハウツー本に近いものは、どのような採用戦略、人事戦略を取っていけばいいのかということは書いてあっても、外国人を雇うことや雇用保険や社会保険に関してはノータッチだった。

それらの保険制度だけでなく、退社時の対応、賞与の算定、時間外労働の基準と給与など、人事の業務も一筋縄ではいかない。

正直このあたりの業務は、読後の今もどのように処理するかを覚えているというよりは、
「そういうものがあるのか。」
ぐらいのものである。

そういう意味でも、逆引きのように索引で戻ることができるのはかなりありがたい。

しかし、もっと厄介なのが経理の部分だ。

経理とは?

経理の仕事の方が総務よりイメージはしやすいように思う。

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書評『鈴木敏文の「統計心理学」』

本とカフェ

鈴木敏文さんはセブンイレブンの父ともいえる方で、独自の経営理論が他の経営者とは一線を画すことで有名だそうだ。

そんな鈴木さんの経営哲学に触れている本書の特徴は何と言っても、金言という形で重要な項目がまとまっていることである。

その金言を見返せば、十分にこの本のエッセンスを見返すことになるだろう。

それらの金言や、本書の内容のなかで特に気になった点を3点挙げてみることにする。

時間軸と客観性

時間軸で物事を捉える。そのときに客観性を持つ。

いずれも特別なことではないのだが、私自身出来ていないと思うことが多く、苦手としていることである。

特に時間軸で物事を捉えるというのは、ある事象の原因と、それがどのように影響を及ぼすかというところまで考えなければならない。

それゆえ表層的なモノの見方では、時間軸を組み込むことができない。

ビジネスに於いては消費動向や、消費者心理に関して特に重要になる考え方のようである。

特に最近、60-70歳ぐらいの先生と言われる方々と話をする機会を頂いているのが、その思考の深さとバックグラウンドの広さにはただただ脱帽である。

常に表層から次表層へ、そして下層まで物事を落とし込みながら理解することで、あらゆる事象を根っこで繋げているのだろうと思う。

理解したつもりほど怖いものはない。

とりあえず過去から現在の流れを理解し、そして未来の予測をトレーニングとして行うために「株」をはじめてはどうかという結論に至った。

客観性に関しては、競馬なんかが思い出される。競馬をやっていたのはかなり前になるのだが、やっていた頃の経験上、どうも人間は自分に都合のいいデータを重視しがちになるということが分かった。


これは個人の問題というより、人間がそういう風に出来ていると思う方が自然である。これは脱経験思考やゼロベース思考などともつながってくるポイントである。

主観的な物事の捉え方は、自身の経験依存であることが多く、さらにはそこから納得しやすい理屈を生み出すこともあるだろう。

そういう意味でも、客観性を常に担保する、自分という存在を俯瞰する存在を自分に持つという鈴木さんの方法はかなり有用なのだろうと思う。

徹底した顧客心理とデータ

鈴木さんは脱経験思考とともに徹底的な顧客思考を唱えている。

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GI日本酒シンポジウム:GI(地理的表示)とは?

日本酒樽

昨日大阪梅田で行われた「GI日本酒シンポジウム」に行ってきたので、今回はそのレポートになります。

そもそもGIとはなにか

GIはGeographical Indicationという英語の略語であり、日本語では「地理的表示」と言われるものです。

この地理的表示は定められた規定に従って製造されたモノに対して、産地を独占的に名乗ることができる権利が与えられるというものです。

例えば、日本酒というのはこのようなGIに守られた表記なので、海外で生産された「日本酒」は「清酒」と表記しなければなりません。

あるいは、
スパークリングワイン全てをシャンパンというわけではなく、シャンパーニュ地方で特定の条件をクリアして製造されたものだけをシャンパンと呼ぶことができる
という例が有名でしょうか。

これらの表記に関する独占的な権利を保護するのがGIを認証する制度になります。

竹久健/(株)津々浦々の基調講演

竹久さんは日本酒のGI認証の取得推進に携わっていベンチャー企業の社長さんです。以下で、その方の基調講演の内容をまとめています。

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リスク管理に関する意思決定と評価の難しさ

たとえば災害の対策について

例として、首都直下型地震を考えてみましょう。

東京には、あまりにも多くのものが集中しています。
人も金も、政治も企業も情報も。

規模にもよりますが、この東京を大地震が直撃したら、多くの死傷者が出るでしょうし、政治も経済もしばらく大きな混乱が続くでしょう。
あくまで経済的なリスクということを考えると、東京だけはちょっと別物として考えておかないといけません。

自分も今まさに東京に住んでいて全く笑えない話なのですが、この日本という国においては、もういつどこで巨大地震が起きてもおかしくないわけです。

人は自然の前に無力だとはいえ、いや無力だからこそ、例えば政治機能を他地域に分散させるとか、やるべきことがあるように思うのですが、「いつ起きてもおかしくない」けど「やっぱり起きないかもしれない」ことに対して、その意思決定はこの上なく難しいものです。

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ワインのポリフェノール測定器:Polyscanとは?

ワイン樽

NOMASENSEとNOMACORK

ワイン業界の方であればノマコルクという単語を聞いたことが一度はあると思う。

言わずと知れたベルギーのコルクメーカーで、かなりのシェアを占める。

このノマコルクはコルクだけでなく色々と研究開発を行い、独自の商材を抱えているそうだ。

そのうちの1つがNOMASENSE

NOMASENSEというのは計測機の総称だそうで、NOMASENSEというものが特定のものを指すわけではなさそうだ。

そのため現状日本語で「ノマセンス」と検索すると「非接触の酸素濃度検知器」が出てくる。
とはいえこの検知器が出てくること自体にもかなり驚いた。

このあたりはさすが「きた産業」さん。

北海道であった学会でも紹介していたみたいで、この機械はもしかしたら知っている方もいらっしゃるかもしれない。

きた産業さんの情報記事はほんとに勉強になることも多いし、私が記事を書く際に参考にすることもある。
是非みなさんもチェックして見てほしい。

PolyScanとは?

しかし今回私が紹介するのは、このNOMASENSEの別の測定器“PolyScan”についてだ。

これは元々、自社のコルク等の試験用に考案され作られた機械だそうだが、どうもその需要がワインの生産者自身にもあるらしいとわかり、販売するに至った製品らしい。

この製品を営業マンとして30秒で説明するならば、

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