皆さんはアマゾンのKindleはご存じかと思います。
そのKindleは一般書籍以外にも個人出版で本を出す機能があります。
こちらはKDPと言い、Kindle Direct Publishingという名前がついています。
このKDPを用いて2冊目の著書を出しました。
1冊目は『ワインリテラシーとテイスティング入門』という多くのワインラバーに対する本だったのですが、今回は生産者やより科学的な側面に興味がある人に対しての本を書こうと思い、『ワインと微生物学』というものを題材としました。
ワインにおける「微生物」は、「ブドウ」の次に重要な位置にあると言えます。発酵はもちろん酵母によるものですし、その後の工程にもさまざまな微生物が関与しています。
ワイン醸造の科学の進歩は、微生物管理の進歩と言っても過言ではないでしょう。
発酵の温度管理を1つ取っても、果皮からのアントシアニンやタンニンの抽出を管理するという面ももちろんありますが、発酵速度や微生物の増殖速度にも大きな影響を与えています。
これらのことを網羅的に書いた本は洋書にはいくらでもあるのですが、日本語の文献というのはあまりないように思っています。
それを購入者の方も感じているのかもしれません。
アマゾンではブログやフェイスブックで宣伝をかけたのち、一時的にカテゴリでベストセラー1位になりました。
しかし、もちろんどんな洋書でも日本語の文献でも、1冊で過不足ないということはありません。
もちろん私の本も1冊で醸造工程の微生物の知識を網羅したとは言えません。
それは500ページや1000ページの本であっても同様ですし、だからこそ状況に応じて知識を都度入れていく必要があると思うのです。
そのような背景も含めて、私の本は「自分で調べて学ぶ」という行為の足掛かりとして用いていただけたらと思っています。
そのため文献の掲載量もなるべく多く、本やインターネット、論文など色々なソースを用いています。
「こういう情報をこうやって調べてまとめる。」
それが私が大学院で学んだ最も大きな部分ではないかと思います。
日本の多くの学問は日本語で完結しますし、十分と言えるレベルで教材が存在しています。
ただワインのような業界では、どうしても言語の壁が生じます。
かく言う私はフランス語もイタリア語もドイツ語もできません。
でも英語だけは少しだけ人よりできるので、このような発信を通じて業界全体の知識と幅を増やしたい。
そういった私の思いが少しでも多くの人に届けばいいなと思っています。
内容は酵母、乳酸菌、酢酸菌や亜硫酸などで、ボトリティスと産膜酵母には触れれずなのですが、もし気になった方がいらっしゃったら手にとっていただければと思います。
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