今、何か悩んでいること、迷っていることがある方。
いろいろ考えすぎて、どこからどう片付けていけばいいか分からなくなっていませんか?
進路で悩んでいる人。就職先、転職先で悩んでいる人。
営業の提案資料作りに悩んでいる人。
事業の方向性に悩んでいる人。お金に悩んでいる人。
人間関係に、恋愛に悩んでいる人。
どんな場合でも同じです。
複雑な問題を、複雑なまま考えているから分からないのです。
悩んでいる時間が一番ムダ
いいですか?
人生において最もムダな時間というのは、悩んでいる時間です。
「悩む」のではなく、「検討」をしましょう。
じゃあ、どうすればいいのか? 簡単な話です。
問題の「分解」をすればいいのです。
それぞれ検討可能なレベルの問題にまで「分解」すれば、
「複雑で難しい大きな1つの問題」は、
「シンプルで易しいたくさんの問題の集合」に変わります。
複雑なことを複雑なまま考えない
問題を「分ける」ときの基本
たくさんの細かい要素に分解できても、それらが散乱したままでは、どこから手を付けていいか分からなくなります。
「分解」したら、考えやすいように整理をする、
つまり「分類」をしましょう。
「分解」は、大きな塊をバラバラの要素に分けるということ、
「分類」は、バラバラの散らばった要素をグループに分けるということ、
どちらも同じ「分ける」という作業です。
「分ける」ときの合言葉は、「モレなく・ダブリなく」。
この「モレなく・ダブリなく」は、ロジカルシンキングにおいて最も基本となる概念で、MECEといいます。
何と何に分けられるか、を考えるのではありません。
どこで区切れるか、どこで仕切れるかを考えるのです。
「分ける」=「どこに包丁を入れるかを考える」と捉えれば、必ずMECEになりますよね?
そうです、とても簡単な話なのです。
MECEにするための道具
MECE的な分け方を考えるときに役立つのは、対比軸です。
ソフト/ハード、積極的/能動的、直接的/間接的、開放的/閉鎖的、etc 。
要するに、対義語の組で二分するということですね。
1つの対比軸では二分するしかできませんが、2つの軸を組み合わせれば、田の字で四分することもできます(マトリックス分析)。
例えば、ポジティブ/ネガティブと内的要因/外的要因という2軸を組み合わせると、有名な「SWOT分析」になります。
できるだけたくさんの対比軸を、武器として持っておきましょう。
注意しなければならないのは、本当にそれが対比軸になっているかということです。
例えば、甘い/辛い というのは、一見すると対義語の組のようですが、
じゃあ「酸っぱい」とか「苦い」はどこに分類されるのか、甘いと辛いの中間くらいはどっちにすればいいか、といったようにモレやダブリが生じてしまいます。
曖昧で主観に大きく依存するような形容詞の軸は、極力避けた方がよさそうです。
もちろん、対比軸以外でも、MECEになるような基準ならOKです。
経営資源を ヒト/モノ/カネ/情報 で四分したり、時間軸で 過去/現在/未来 に分けたりするのは鉄板ですね。
「検討」を始めるその前に
「分解」、「分類」が終わったら、あとはそれぞれの要素について打ち手を「検討」していくだけ、
と言いたいところですが、その前に、もうワンステップ挟むと効率的です。
ここではトリアージと呼ぶことにしましょう。
トリアージというのは、大事故や災害で同時に多数の負傷者が出た時に、
できるだけ多くの人に適切な処置を施すため、重症度や緊急度に応じて治療の優先度順にラベル付けをすることを指します。
例えば、各要素を「コントロール可能な変数」と「コントロール不可能な変数」にラベル付けしてみましょうか。
分かりやすく言うなら、「自分の力でどうにかできるかどうか自分の力でどうにかできるかどうか」を判断するのです。
明らかに自分ではどうしようもないことというのは必ずあります。
それについては、どれだけ対処方法を考えてもムダ。
同様に、現実的に考えられる打ち手の選択肢が1つしかないようなことについても、それが明らかになった時点で、検討対象から外しましょう。
はい、このワンステップで一気に考えることが減りましたね。
「自分では何も施しようがない」ことや、「自分にはそれ以外の選択の余地がない」ことというのは、検討対象ではなく前提条件です。
これをしっかり区別しないまま、グダグダと考え続けてはいけません。
「検討」をするというのは、「複数個の選択肢の中から、それぞれのメリット・デメリットを比較して、最も良さそうな選択肢を決める」ということなのです。
まとめ
では、複雑な問題の考え方をまとめましょう。
- 分解:検討可能な粒度までバラバラに切り分ける
- 分類:検討しやすくするためにグループ分け
- トリアージ:効率よく検討するために優先順位をラベル付け
- 検討:検討対象の各要素に対し、考えられる打ち手の選択肢を比較
「簡単に考える」というのは、「簡単だと言い聞かせて楽観する」ということではありません。
「簡単な問題に変換してから考える」ということです。
難しいことを難しいまま考えるのは、時間の無駄ですよ。
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